「職場の熱中症対策」は、夏季における産業安全の最重要課題です。屋外作業だけでなく、工場・倉庫・厨房など室内でも熱中症は発生します。毎年夏季には多くの労働者が熱中症で救急搬送されており、企業の安全配慮義務として適切な対策が求められます。今回は、職場の熱中症対策の法的義務と実践的な予防策を解説します。

職場の熱中症:リスクが高い職種・環境
職場の熱中症リスクは業種・作業環境によって大きく異なります。特にリスクが高いのは以下のケースです。
- 建設・土木作業:屋外での直射日光下での作業
- 製造業・工場:高温設備・熱源の近くでの作業
- 物流・倉庫:空調が不十分な屋内での重量物取り扱い
- 農業・林業:長時間の屋外作業
- 厨房・飲食:高温多湿の調理環境
厚生労働省の熱中症予防対策では、WBGT(暑さ指数)を用いた作業管理・水分補給・休憩の確保が事業者の義務として示されています。
職場の熱中症対策:7つの基本施策
施策1:WBGT(暑さ指数)の測定と管理
職場の熱中症対策として最初に取り組むべきは、WBGT(湿球黒球温度)の測定です。WBGTが28℃以上で厳重警戒、31℃以上で危険レベルとなります。WBGTメーターを現場に設置し、数値に応じた作業中断・休憩のルールを設けましょう。
施策2:こまめな水分・塩分補給の徹底
熱中症予防として、20〜30分ごとにコップ1杯の水分補給を推奨します。発汗量が多い作業では、スポーツドリンクや塩分補給タブレットを用意し、作業者が自由に利用できる環境を整備することが職場の熱中症対策として重要です。
施策3:休憩場所・冷却設備の整備
直射日光を避けられる休憩スペース・冷房付き休憩室・ミストファン・スポットクーラーなど、涼しく休める環境を整備します。休憩のタイミングを強制的に設ける「休憩ルーティン」の設定も効果的です。
施策4:熱中症の初期症状チェックと体制整備
めまい・頭痛・吐き気・意識障害などの熱中症サインをすべての従業員が把握していることが重要です。緊急時の対応フロー(涼しい場所への移動・水分補給・救急車の呼び方)を事前に周知し、AEDの設置場所も確認しておきましょう。
施策5:作業スケジュールの見直し
気温・WBGTが高くなる時間帯(正午〜15時)の屋外作業を最小限にし、早朝・夕方に重点作業を移すことが職場の熱中症対策として効果的です。
施策6:新入・高齢・服薬中の従業員への配慮
暑熱順化(暑さへの慣れ)に時間がかかる新入社員・体温調節能力が低下している高齢者・利尿薬などを服用中の従業員は特に熱中症リスクが高いです。これらの従業員への個別の配慮が必要です。
施策7:熱中症予防研修の実施
毎年夏季前に、全従業員を対象とした熱中症予防研修を実施します。症状の見分け方・初期対応・水分補給の重要性を繰り返し周知することで、職場全体の熱中症対策意識を高めます。

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よくある質問(FAQ)
- Q: 職場の熱中症対策でWBGTが何℃以上になったら作業を中断すべきですか?
- A: WBGTが28℃以上で「厳重警戒」、31℃以上で「危険」レベルとなります。職場にWBGTメーターを設置し、数値に応じた作業中断や強制休憩のルールを整備することが熱中症対策の基本です。
- Q: 職場での熱中症予防に水分補給はどのくらいの頻度で行うべきですか?
- A: 熱中症予防のため、20〜30分ごとにコップ1杯の水分補給が推奨されています。発汗量が多い作業ではスポーツドリンクや塩分補給タブレットを用意し、自由に利用できる環境を整えることが重要です。
- Q: 熱中症リスクが特に高い職場環境・職種はどこですか?
- A: 建設・土木(屋外直射日光)、製造業・工場(高温設備)、物流・倉庫(空調不十分)、農業・林業(長時間屋外)、厨房(高温多湿)の5つが特にリスクの高い職場環境です。
- Q: 職場で熱中症の初期症状が出たときの緊急対応の手順は?
- A: めまい・頭痛・吐き気・意識障害が熱中症の主な初期症状です。症状が出たら速やかに涼しい場所へ移動し水分補給を行い、意識障害がある場合はすぐに救急車を呼ぶことが重要です。
- Q: 熱中症対策で特別な配慮が必要な従業員とはどのような人ですか?
- A: 新入社員・高齢者・利尿薬などを服用中の従業員は特に熱中症リスクが高く、個別の配慮が必要です。暑熱順化に時間をかけ、作業負荷の軽減や体調確認の頻度を高めることが重要です。