ストレスチェックの受検のお願いをしても受検率が上がらない——本記事では、従業員に確実に届く依頼文の作り方と受検率を高める具体策を、実績から解説する。
- ストレスチェック受検のお願いの正しい進め方と法的位置づけ
- 従業員に届き、受検率が上がる依頼文の具体的な例文
- メール・朝礼・チャットなど依頼方法ごとの効果比較
- プライバシー・不利益取扱い禁止など外してはいけない注意点
- 受検率90%超を実現した企業の成功事例と共通点
ストレスチェック受検のお願いとは、労働者に受検を促す案内であり、受検は義務ではなく任意である。受検率を高める鍵は、目的の明示・プライバシー保証・複数チャネルでの周知・トップからの後押しの4点にある。
ストレスチェックの受検のお願いとは?まず押さえる基本
ストレスチェックの受検のお願いとは、事業者が労働者に対してストレスチェックの受検を促す案内・依頼のことである。労働安全衛生法により、常時50人以上の労働者を使用する事業場では年1回のストレスチェック実施が義務だが、労働者側の受検自体は任意であり、強制はできない。だからこそ「お願い」の質が受検率を左右する。
厚生労働省によると、ストレスチェック制度はメンタル不調の未然防止(一次予防)を主目的としている(厚生労働省「ストレスチェック制度について」)。受検率が低いと制度が数字上の実施にとどまり、本来の予防効果が得られない。
なぜ受検率が上がらない?お願いが形骸化する3つの原因
受検率が上がらない最大の理由は、受検のお願いが「一斉メール1通」で終わり、目的も安心材料も伝わっていないことにある。制度が形骸化する典型パターンは次の3つだ。
- 目的が伝わらない:「なぜ受けるのか」が示されず、業務外の面倒事と受け取られる。
- プライバシー不安:結果が上司や人事に見られると誤解され、回答をためらう。
- 周知が一度きり:多忙な現場では1通のメールは埋もれ、締切直前まで放置される。
逆に言えば、この3点を潰した依頼文にするだけで受検率は大きく改善する。
受検率を高める受検のお願い文の作り方(例文つき)
受検率が上がる受検のお願い文は、「目的・所要時間・プライバシー・締切・受検方法」の5要素を短く明記する。以下はそのまま使える例文である。
【件名】【回答のお願い】ストレスチェック受検のご案内(所要約10分・◯月◯日締切)
【本文】従業員の皆さまへ。心身の健康を守り、より働きやすい職場をつくるため、年1回のストレスチェックを実施します。回答は約10分で完了します。個人の回答結果が上司や人事に開示されることはありません。結果は実施者(産業医等)が管理し、本人の同意なく事業者へ提供されません。◯月◯日(◯)までに、下記URLよりご回答ください。皆さまの受検が、働きやすい職場づくりの第一歩になります。
ポイントは、冒頭で受検者本人のメリット(働きやすさ)を示し、不安要素(プライバシー)を先回りで打ち消すこと。命令口調ではなく「お願い」のトーンを保つことが受検率を左右する。
依頼方法はどれが効く?受検のお願い手段の比較
受検のお願いは単一チャネルより複数チャネルの併用が効果的である。手段ごとの特徴を比較すると次の通りだ。
| 依頼方法 | 到達率 | 手間 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 一斉メール | 中 | 低 | 全社への基本告知・受検URL配布 |
| 社内チャット | 高 | 低 | リマインド・締切前の再周知 |
| 朝礼・会議での口頭 | 高 | 中 | 目的の共有・現場の温度感づくり |
| 紙の配布・掲示 | 中 | 中 | PCを使わない現場・製造業 |
| 上司からの声かけ | 非常に高 | 中 | 未受検者への個別フォロー |
実務では「メールで告知→チャットでリマインド→締切前に上司が声かけ」の3段構えが受検率を最も押し上げる。
受検のお願いで失敗しないための注意点
受検のお願いで最も注意すべきは、受検の強制と、受検・結果を理由にした不利益取扱いはいずれも法律で禁止されている点である。「受けないと評価に響く」といった言い回しは違法リスクがあり、絶対に避ける。
- 任意性を守る:受検はあくまで本人の意思。未受検を理由に処分・減給等をしない。
- 結果の守秘:個人結果は実施者が管理し、本人同意なく事業者に渡さない旨を明記する。
- 面接指導の案内:高ストレス者には医師の面接指導を申し出られることを伝える。
これらを依頼文に盛り込むことで、従業員の安心感が高まり、結果的に受検率も上がる。制度設計に迷う場合は比較ページで支援サービスの選び方を確認するとよい。
受検率90%超を実現した企業の成功事例
受検率を高めた企業に共通するのは、受検のお願いを「単発の連絡」ではなく「継続的な健康施策の一部」として設計している点だ。WellConが支援した企業では、週1回15分の健康プログラム設計と受検周知を連動させ、受検を日常の一部に組み込むことで受検率を大幅に改善した。
受検率が上がると、隠れた不調の早期発見が進み、出勤しているのに生産性が下がるプレゼンティーイズムの損失も可視化できる。WellConの実績と3〜4年の継続率を背景に、受検のお願いから結果活用、職場改善までを一気通貫で支援している。単なる実施で終わらせず「受検→分析→改善」のサイクルを回すことが、受検率90%超を実現した企業の共通点だ。
よくある質問(FAQ)
- Q: ストレスチェックの受検は義務ですか?
- A: 事業者の実施は義務ですが、労働者本人の受検は任意です。強制はできず、未受検を理由に不利益な扱いをすることも法律で禁止されています。
- Q: 受検のお願いを何度もするのはハラスメントになりませんか?
- A: 目的や締切を伝えるリマインドは問題ありません。ただし「受けないと評価に響く」等の強制的な言い回しは避け、あくまで任意である旨を添えてください。
- Q: 受検率はどのくらいを目標にすべきですか?
- A: 制度を機能させるには80%以上が一つの目安です。目的の明示・プライバシー保証・複数チャネルでの周知で90%超も実現可能です。
- Q: 受検のお願い文に必ず入れるべき項目は?
- A: 目的、所要時間、締切、受検方法、そして結果が本人同意なく事業者に開示されないというプライバシー保証の5点です。安心材料が受検率を左右します。
- Q: 従業員が結果を上司に見られるのを心配しています。どう伝えれば?
- A: 個人結果は産業医等の実施者が管理し、本人の同意がない限り事業者へ提供されないことを明記してください。守秘の明示が受検の後押しになります。
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