「過重労働 面談記録票」とは、長時間労働者への医師による面接指導の結果を記録し5年間保存する法定様式である。本記事で必須項目と書き方を解説する。
- 過重労働の面談記録票の法的な位置づけと作成義務がある対象者
- 面談記録票に必ず記載すべき8つの必須項目と書き方
- 記録票の保存期間(5年間)と保管方法・様式テンプレート例
- 記録票が形骸化する原因と、実効性を高める運用のコツ
過重労働の面談記録票とは、月80時間超の時間外労働をした従業員に対する医師の面接指導結果を記録する法定書類である。就業区分・指導内容など8項目の記載が必要で、事業者は5年間の保存義務を負う。
過重労働 面談記録票とは?作成が義務づけられる対象と根拠
過重労働の面談記録票とは、労働安全衛生法第66条の8に基づく医師の面接指導の結果を記録する書類である。事業者は面接指導の結果に基づき記録を作成し、これを5年間保存する義務を負う。対象となるのは、月80時間を超える時間外・休日労働を行い、疲労の蓄積が認められて本人が申し出た労働者だ。
厚生労働省によると、面接指導は労働者の健康障害(脳・心臓疾患など)を未然に防ぐための重要な措置と位置づけられている。詳細な制度概要は厚生労働省「長時間労働者への医師による面接指導制度」で確認できる。
面談記録票の必須項目は8つ|書き方と記載例
面談記録票に記載すべき必須項目は、大きく8つに整理できる。厚生労働省が示す様式(安衛則様式に準拠)をベースに、実務で使う項目を表にまとめた。
| 記載項目 | 内容・書き方のポイント |
|---|---|
| ①実施年月日 | 面接指導を行った日付を記録 |
| ②対象労働者 | 氏名・所属・年齢・性別 |
| ③勤務の状況 | 時間外労働時間数、業務内容、深夜勤務の有無 |
| ④疲労の蓄積の状況 | 自覚症状チェックリストの結果 |
| ⑤心身の状況 | 睡眠・抑うつ・身体症状などの所見 |
| ⑥就業区分の判定 | 通常勤務/就業制限/要休業の3区分で判定 |
| ⑦指導・措置の内容 | 労働時間短縮、作業転換、受診勧奨など |
| ⑧医師の氏名 | 面接を実施した医師(原則産業医)の署名 |
特に重要なのは⑥就業区分の判定と⑦指導内容だ。ここが曖昧だと、事後の就業配慮につながらず記録が形骸化する。就業配慮の具体化については産業医 意見書 フォーマットの完全ガイドも参考になる。
面談記録票の保存期間は5年間|保管方法の3ステップ
面談記録票の保存期間は作成日から5年間と法定されている。紙・電子いずれでも保存できるが、個人の健康情報を含むため厳格な管理が必要だ。運用は次の3ステップで整える。
- ステップ1:アクセス制限— 人事・産業保健スタッフに限定し、施錠キャビネットまたはアクセス権限付きサーバーで管理する。
- ステップ2:目的外利用の禁止— 健康確保措置以外(人事評価など)に使わないことを社内規程で明文化する。
- ステップ3:定期棚卸し— 年1回、対象者の記録が漏れなく作成・保存されているかを点検する。
面談記録票が形骸化する3つの原因と対策
面談記録票が形骸化する最大の原因は、「記録して終わり」で就業改善につながらないことである。WellConの実績の現場でも、次の3点が繰り返し課題になる。
- 単発で終わる:面接が年数回の点対応で、継続フォローがない。
- 就業区分が形だけ:ほぼ全員「通常勤務」で判定が機能していない。
- データが活かされない:記録が保管されるだけで、労働時間削減の施策に反映されない。
WellConでは週1回15分の設計で継続的にコンディションを把握し、面談記録を単発でなく3〜4年継続のデータとして活かす。こうした継続設計により、記録票が改善のトリガーとして機能する。制度の形骸化を防ぐ具体策は専用ページで整理している。
面談記録票の整備が生産性に効く理由
過重労働の記録票を実効化する取り組みは、プレゼンティーイズム(出勤しているが本来の能力を発揮できない状態)の損失削減に直結する。長時間労働による疲労蓄積を早期に把握し就業配慮につなげることで、離職や健康障害による損失を未然に防げるからだ。
自社でどれだけの損失が生じているかは、損失額シミュレーターで試算できる。記録票の整備は法令遵守だけでなく、経営数値に直結する投資でもある。健康経営コンサルの選び方・比較を検討する際も、面接指導の記録運用まで伴走できるかを確認したい。
よくある質問(FAQ)
- Q: 過重労働の面談記録票は誰が作成するのですか?
- A: 面接指導を実施した医師(原則は産業医)の所見をもとに、事業者が作成・保存します。記録の作成義務は事業者にあり、5年間の保存が労働安全衛生法で定められています。
- Q: 面談記録票のテンプレートはどこで入手できますか?
- A: 厚生労働省が長時間労働者への面接指導のマニュアルと様式例を公開しています。安衛則の様式に準拠し、就業区分・指導内容を含む形式であれば自社様式も使用できます。
- Q: 月80時間未満でも面談記録票は必要ですか?
- A: 法定の義務対象は月80時間超ですが、月45時間超などで面接を実施した場合も記録を残すことが推奨されます。努力義務の範囲でも記録することで健康管理の実効性が高まります。
- Q: 面談記録票は電子データで保存してもよいですか?
- A: はい。紙・電子いずれでも5年間の保存要件を満たせば認められます。ただし健康情報を含むため、アクセス権限の設定や目的外利用の防止など厳格な管理が必要です。
- Q: 記録票の就業区分で「要休業」と判定されたらどうしますか?
- A: 医師の意見に基づき、休業や労働時間短縮などの就業上の措置を講じます。事業者は面接指導の結果を勘案し、必要な健康確保措置を適切に実施する義務があります。
関連記事
- 健康経営2027のポイントを完全ガイド|認定制度の変更点・準備すべき5項目・成功事例【2026年版】
- ブライト500とは?認定要件・ホワイト500との違い・取得の進め方を完全ガイド【2026年版】
- 産業医 意見書 フォーマットの完全ガイド|書き方・必須項目・テンプレート例と就業配慮の進め方【2026年版】
📘 この記事は健康経営の体系ガイドの一部です。全体像は健康経営とは?制度・認定・効果をまとめた完全ガイドでまとめて確認できます。
健康経営の導入・認定取得は、WellConの無料相談&プレゼンティーイズム損失シミュレーターからどうぞ。