健康経営度調査のフィードバックシートに記載される偏差値の意味と項目別評価の読み方を、自社の弱み発見に活かす視点で解説します。
- フィードバックシートに記載される4つの情報の見方
- 偏差値が何を意味し、どの範囲を目安に読み解けばよいか
- A〜Eの項目別評価から自社の弱みを特定する手順
- 偏差値が低い項目への優先的な対応方法
- 読み解きが形骸化しないための運用ルール
健康経営度調査フィードバックシートの偏差値は、全回答企業の平均を50とした相対評価の指標である。A〜Eの項目別評価とあわせて確認し、偏差値の低い項目から優先的に改善に着手することが、翌年度の評価向上につながる。
健康経営度調査のフィードバックシートとは?何が書かれているのか
フィードバックシートとは、経済産業省が実施する健康経営度調査に回答した企業に対して、翌年以降に送付される個社別の評価結果通知書である。自社の回答内容が全国の回答企業の中でどの位置にあるかを、偏差値と項目別評価という2つの指標で示している。
フィードバックシートには、大きく分けて「総合評価」「大項目別評価」「中項目別評価」「経年変化」の4つの情報が記載される。経済産業省は健康経営の推進に関する情報をウェブサイトで公開しており、調査項目の全体像もあわせて確認できる。
- 総合評価:全回答企業内での相対的な立ち位置
- 大項目別評価:経営理念・組織体制・制度施策実行・評価改善の4区分
- 中項目別評価:各大項目をさらに細分化した約30項目のスコア
- 経年変化:前年度・前々年度との比較推移
健康経営度調査フィードバックシートの偏差値とは?見方を解説
健康経営度調査フィードバックシートにおける偏差値とは、全回答企業の平均を50として、自社の評価がどれだけ平均から離れているかを表す統計指標である。偏差値が50より高ければ平均以上、低ければ平均以下の評価であることを意味する。
偏差値は総合評価だけでなく、大項目・中項目のそれぞれに算出される。そのため「総合の偏差値は高いが、特定の中項目だけ偏差値が低い」というケースも珍しくなく、どの項目の偏差値が低いかを特定することが、改善計画づくりの出発点になる。
| 偏差値の目安 | 相対的な位置づけ | 読み方のポイント |
|---|---|---|
| 65以上 | 回答企業の上位クラス | 強みとして維持・発信を検討 |
| 55〜64 | 平均をやや上回る | さらに伸ばせる余地あり |
| 45〜54 | ほぼ平均的な水準 | 他項目とのバランスを確認 |
| 35〜44 | 平均をやや下回る | 優先的な見直し候補 |
| 34以下 | 回答企業の下位クラス | 最優先で改善に着手 |
この目安はあくまで自社での読み解きを助けるための一般的な区分であり、認定基準そのものを示すものではない点に注意したい。
項目別評価(A〜E)の読み方|どこが自社の弱みかを特定する方法
項目別評価とは、大項目・中項目ごとの達成度をA〜Eの5段階でランク化したもので、Aに近いほど取り組みが進んでおり、Eに近いほど改善余地が大きいことを示す。偏差値が数値による相対評価であるのに対し、A〜E評価は施策の実施状況そのものを段階的に可視化した指標といえる。
フィードバックシートを読み解く際は、次の順番で確認すると弱みを特定しやすい。
- ①総合評価のA〜Eと偏差値をまず確認する
- ②4つの大項目(経営理念・組織体制・制度施策実行・評価改善)のうち評価が低い区分を洗い出す
- ③その大項目に含まれる中項目まで掘り下げ、具体的にどの設問群のスコアが低いかを特定する
- ④前年度データがあれば経年変化を比較し、悪化・改善の傾向をつかむ
偏差値が低い項目にどう対応する?プレゼンティーイズム対策を優先すべき理由
偏差値が低い項目への対応は、従業員の生産性低下に直結する項目から優先的に着手するのが原則である。中でも「制度施策実行」区分に含まれるプレゼンティーイズム対策(心身の不調を抱えたまま出社し生産性が落ちている状態への対策)は、多くの企業でスコアが伸び悩みやすい項目である。
プレゼンティーイズムによる損失は、放置すると年間で数千万円規模に及ぶケースもあり、健康経営度調査の評価だけでなく経営インパクトの観点からも優先度が高い。自社の損失規模を把握したい場合は、損失額シミュレーターで概算を確認しておくと、改善策の優先順位づけがしやすくなる。
具体的な打ち手としては、週1回15分程度の短時間ミーティングで施策の実施状況を確認する運用が定着しやすく、翌年度のフィードバックシートで評価改善につながりやすい傾向がある。
フィードバックシートの読み解きが形骸化しないための3つのポイント
フィードバックシートを毎年受け取っていても、担当者が変わるたびに読み解き方が引き継がれず、改善活動が形骸化してしまう企業は少なくない。形骸化を防ぐには、次の3点を運用ルールとして固定しておくことが有効である。
- ①フィードバックシート到着後1か月以内に、偏差値が低い上位3項目を経営層に共有する
- ②改善計画の担当者と期限を明文化し、翌年度の再調査前に振り返りの場を設ける
- ③経年変化のグラフを社内資料として蓄積し、担当者交代時の引き継ぎ資料にする
健康経営度調査の形骸化を防ぐ運用体制づくりについては、より詳しい実務ポイントを別記事でも解説している。
自社での分析が難しい場合はコンサル比較で選び方を見極める
フィードバックシートの読み解きや改善計画の策定を自社だけで進めるのが難しい場合は、外部の専門家に相談する選択肢もある。ただし支援会社によって得意分野や料金体系が異なるため、依頼前のコンサル比較を通じて自社に合う選び方を確認しておくことが望ましい。
比較の際は、健康経営度調査の項目別評価に対する分析実績があるか、プレゼンティーイズム対策など具体的な施策提案まで踏み込めるかを確認基準にすると、支援会社選びで失敗しにくい。
よくある質問(FAQ)
- Q: 健康経営度調査のフィードバックシートはいつ届きますか?
- A: 例年、調査回答後の翌年3月前後に経済産業省から順次発送される。年度によって時期が前後するため、公式発表を確認しておくとよい。
- Q: 偏差値が低い項目があると健康経営優良法人の認定に影響しますか?
- A: 認定の可否は総合的な評価基準で判断されるため、一部項目の偏差値の低さが直ちに不認定につながるわけではないが、改善は推奨される。
- Q: 前年度のフィードバックシートが見つからない場合はどうすればよいですか?
- A: 社内の担当部署に保管がないか確認し、見つからない場合は経済産業省の調査事務局に再発行の可否を問い合わせるとよい。
- Q: A〜E評価と偏差値のどちらを優先して見ればよいですか?
- A: まずA〜E評価で施策の実施状況を把握し、次に偏差値で他社との相対的な位置づけを確認すると、改善の優先順位を判断しやすい。
- Q: フィードバックシートの内容を社外に公表してもよいですか?
- A: 個社別の評価内容は原則非公開情報として扱われるため、公表の可否は経済産業省の案内や利用規約を確認したうえで判断する必要がある。
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📘 この記事は健康経営の体系ガイドの一部です。全体像は健康経営とは?制度・認定・効果をまとめた完全ガイドでまとめて確認できます。
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