「アブセンティーイズム」とは、体調不良や精神的な問題を原因とした欠勤・休職のことを指します。出勤しながら生産性が低下するプレゼンティーイズムとは対をなす概念で、両者を合わせた「健康関連コスト」の把握が健康経営の重要課題となっています。今回は、企業がアブセンティーイズムを削減するための具体的な施策を解説します。

アブセンティーイズムが企業に与えるコスト
アブセンティーイズムによるコストは「欠勤した従業員の人件費×欠勤日数」だけではありません。代替業務を担う他の従業員の生産性低下・長期休職による人員計画の乱れ・復職支援のコスト・最悪の場合の離職と採用コストまで含めると、1人の長期休職が企業に与える経済的損失は数百万円に及ぶケースもあります。厚生労働省のメンタルヘルス対策でも、職場復帰支援と再発防止のガイドラインが示されています。
アブセンティーイズムの主な原因
- メンタルヘルス不調(うつ・適応障害):長期休職の最大要因
- 腰痛・筋骨格系疾患:肉体労働・長時間デスクワーク職で多い
- 生活習慣病の悪化:糖尿病・心疾患等による入院・治療
- がん・重篤疾患:治療のための長期休職
- 育児・介護による欠勤:体調不良とは異なるが管理上の課題
アブセンティーイズム削減のための5つの施策
施策1:メンタルヘルス不調の早期発見・早期対応
アブセンティーイズムの最大原因であるメンタルヘルス不調への対策が最優先です。ストレスチェックの高ストレス者への迅速なフォロー・管理職によるラインケア・EAPの活用などにより、不調が重症化して休職に至る前に介入することがアブセンティーイズム削減の鍵です。
施策2:体調不良時に休みやすい仕組みの整備
「少し体調が悪くても休めない」文化が、無理な出勤→悪化→長期休職というパターンを生みます。有給取得の推奨・テレワークの活用・体調不良時の早退・半日休暇取得のしやすい環境を整えることが、アブセンティーイズムの長期化を防ぎます。
施策3:健康診断・保健指導による生活習慣病予防
生活習慣病の重症化は長期休職につながります。健康診断の受診率向上・事後措置の徹底・特定保健指導の実施により、疾病を早期に発見・管理することがアブセンティーイズム削減に直結します。
施策4:職場復帰支援プログラムの整備
休職者が安全に職場復帰できるよう、段階的な復職プログラム(試し出勤・リハビリ勤務)を整備します。産業医・産業保健師・人事・主治医が連携した「復職支援チーム」を作ることで、再発・再休職を防ぎ、アブセンティーイズムの長期化を抑制できます。
施策5:アブセンティーイズムの指標管理
欠勤率・休職者数・平均休職期間・復職後再休職率などを定期的に集計・分析します。部署別・職種別・年代別に傾向を把握することで、リスクの高い集団への重点的な施策展開が可能になります。

アブセンティーイズムと健康経営優良法人
アブセンティーイズムの指標(欠勤率・休職率)は、健康経営優良法人の認定基準におけるアウトカム指標として重要な位置を占めます。欠勤率・休職率の改善傾向を数値で示すことで、健康経営の投資対効果を経営層・認定機関に示せます。
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よくある質問(FAQ)
- Q: アブセンティーイズムとプレゼンティーイズムの違いは何ですか?
- A: アブセンティーイズムは体調不良や精神的問題による欠勤・休職を指し、出勤しながら生産性が低下するプレゼンティーイズムと対をなす概念です。両者を合わせた「健康関連コスト」の把握が健康経営の重要課題です。
- Q: アブセンティーイズムが企業に与えるコストはどれくらいですか?
- A: 欠勤者の人件費だけでなく、他従業員の生産性低下・人員計画の乱れ・復職支援・採用コストまで含めると、1人の長期休職で数百万円の経済的損失が生じるケースもあります。
- Q: アブセンティーイズムの主な原因は何ですか?
- A: 最大の原因はうつ・適応障害などメンタルヘルス不調です。他にも腰痛・筋骨格系疾患、生活習慣病の悪化、がん等の重篤疾患、育児・介護による欠勤が主な原因として挙げられます。
- Q: アブセンティーイズムを削減するための具体的な施策は何ですか?
- A: ①メンタルヘルス不調の早期発見・対応、②休みやすい職場環境の整備、③健康診断・保健指導による生活習慣病予防、④職場復帰支援プログラムの整備、⑤欠勤率などの指標管理の5つが有効です。
- Q: アブセンティーイズムと健康経営優良法人認定はどう関係していますか?
- A: 欠勤率・休職率はアブセンティーイズムの主要指標であり、健康経営優良法人の認定基準におけるアウトカム指標として重要です。改善傾向を数値で示すことで、健康経営の投資対効果を経営層に示せます。