「健康経営に取り組みたいけど、何から始めればいいかわからない」——そう感じている人事・総務担当者の方は多いです。健康経営という言葉は浸透してきたものの、「大企業がやるもの」「お金がかかりそう」というイメージから、なかなか最初の一歩が踏み出せない企業も少なくありません。今回は、どんな規模の企業でも今日から始められる健康経営の始め方を、ステップごとに解説します。

健康経営を始める前に知っておきたいこと
健康経営とは、従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に取り組む考え方です。経済産業省が推進しており、優れた取り組みをしている企業は「健康経営優良法人」として認定されます。重要なのは、健康経営は「新しい何かを始める」ことよりも、「すでにやっていることを整理・強化する」ところから始まるという点です。多くの企業がすでに健康診断の実施・有給休暇の取得推奨・禁煙環境の整備などを行っており、それらがそのまま健康経営の取り組みになります。
健康経営の始め方【4つのステップ】

ステップ1:現状の健康課題を把握する
まず「自社の従業員はどんな健康上の課題を抱えているか」を把握します。以下のデータを確認するところから始めましょう。
- 健康診断の結果:有所見率・受診率・項目別の異常値の多さ
- 欠勤・休職データ:病気による欠勤日数・休職者数の推移
- ストレスチェック結果:高ストレス者の割合・部署別の傾向
- 残業時間:月の平均残業時間・長時間労働者の割合
これらを一覧にするだけで、自社の優先すべき健康課題が見えてきます。
ステップ2:取り組みを整理・「見える化」する
現状把握ができたら、次は「今すでにやっていること」を洗い出します。健康経営優良法人の申請では、実施済みの取り組みを一覧化して提出することが求められます。
- 定期健康診断の実施 ✓
- ストレスチェックの実施 ✓
- 有給休暇取得の推奨 ✓
- 残業時間の把握・管理 ✓
- 禁煙・分煙環境の整備 ✓
チェックを入れていくだけで、「うちはすでにここまでやっている」という実感が得られ、追加で必要な取り組みも明確になります。
ステップ3:不足している施策を1〜2つ追加する
洗い出した結果、不足している項目があれば、コストが低くすぐに始められるものから着手します。
- 健康に関する情報発信:社内報やメールで月1回、健康tips・季節の体調管理情報を発信する
- 運動機会の提供:朝のラジオ体操・昼のウォーキングを推奨する
- 相談窓口の周知:産業医や外部EAPへの相談窓口を改めて従業員に周知する
- 食生活改善:社食のメニュー改善・健康的な食品の自販機設置
完璧を目指す必要はありません。「小さく始めて、続ける」ことが健康経営の本質です。
ステップ4:健康経営優良法人の申請を検討する
取り組みがある程度整ってきたら、健康経営優良法人の認定申請を目指しましょう。申請は毎年秋頃に受付が始まり、認定されると採用・入札・融資などで有利になります。申請費用は無料で、中小企業向けの部門は取得のハードルが比較的低く設定されています。

健康経営を続けるための3つの習慣
習慣1:年1回、現状を振り返る
健康診断の受診率・有所見率・欠勤率などのデータを年次で比較します。「去年より良くなったか、悪くなったか」を追跡することで、施策の効果が見えてきます。
習慣2:衛生委員会を活用する
50名以上の事業所では毎月の衛生委員会が義務付けられています。この場を健康経営のPDCA会議として活用し、「先月の取り組み・今月の課題・次月の施策」を議題にすることで、組織全体で健康経営が動き続けます。
習慣3:経営層を巻き込む
健康経営は人事担当者だけが頑張っても限界があります。社長・役員が「健康経営に取り組む」と宣言し、自らも実践することで、組織全体の本気度が変わります。
一人で抱え込まなくていい
健康経営は「正解」がないぶん、どこから手をつければいいか迷うのは当然です。でも、最初の一歩さえ踏み出せれば、あとは少しずつ積み上げるだけです。「まず何をすればいいか」を一緒に整理するところから始めたい方は、WellConの無料相談をご活用ください。現状ヒアリングから優先施策の提案まで、伴走してサポートします。
よくある質問(FAQ)
- Q: 健康経営はどこから始めればいいですか?
- A: まず自社の健康診断結果・欠勤データ・ストレスチェック結果・残業時間を確認し、現状の健康課題を把握することから始めます。次に既存の取り組みを整理・見える化するのが第一歩です。
- Q: 中小企業でも健康経営に取り組めますか?
- A: はい、規模を問わず取り組めます。健康診断の実施・有給取得推奨・禁煙環境の整備など、すでに行っている取り組みがそのまま健康経営の実績になるため、新たな大きな投資は不要です。
- Q: 健康経営優良法人の申請費用はかかりますか?
- A: 申請費用は完全無料です。中小企業向け部門は認定ハードルが比較的低く、毎年秋頃に受付が始まります。認定されると採用・入札・融資などで有利になるメリットが得られます。
- Q: 健康経営で新しい施策をたくさん導入しなければいけませんか?
- A: 必ずしも新施策を大量に導入する必要はありません。まず既存の取り組みを整理・見える化し、不足施策を1〜2つ追加するだけで十分です。「小さく始めて続ける」のが本質です。
- Q: 健康経営を継続させるためのポイントは何ですか?
- A: 年1回データを振り返り効果を確認すること、衛生委員会をPDCA会議として活用すること、経営層を巻き込んで組織全体で推進することの3つの習慣が継続のカギになります。