健康診断の未受診者を減らし受診率を上げる対策は、個別の声かけと受診しやすい仕組みづくりの両立です。
- 健康診断の未受診者が生まれる主な5つの理由と対策
- 受診率を上げる4段階の声かけ手順とタイミング
- 予約代行・勤務扱いなど受診率を高める5つの仕組み
- 何度促しても受診しない社員への対応と記録の残し方
健康診断の未受診者対策の結論は「理由の把握→段階的な声かけ→予約・勤務の仕組み化」の3ステップです。受診は労働者の法的義務で、会社にも実施義務があります。週1回15分の進捗確認を続ければ受診率は着実に上がります。
健康診断の未受診者対策とは?受診率を上げる基本の考え方
健康診断の未受診者対策とは、未受診の理由を特定し、声かけと仕組みの両面から受診率100%を目指す取り組みである。
労働安全衛生法第66条により、事業者は常時使用する労働者に年1回(深夜業などは6か月に1回)の定期健康診断を実施する義務を負い、労働者にも受診義務がある。厚生労働省によると、実施を怠った事業者は50万円以下の罰金の対象となる。
未受診は法令違反のリスクだけでなく、病気の早期発見の機会を逃し、突発的な休職にもつながる。経済産業省の健康経営の評価でも、定期健診の受診は基本となる項目である。個人の意識に任せず、組織として対策することが欠かせない。
健康診断の未受診者が受診しない理由は?5つの原因と対策
未受診の主な理由は「忙しい」「面倒」「通院中で不要と考える」「結果への不安」「制度を知らない」の5つである。理由ごとに打ち手が異なる。
| 理由 | 典型的な声 | 有効な対策 |
|---|---|---|
| 忙しい | 「業務が詰まっている」 | 日程の指定・勤務時間内の受診 |
| 面倒 | 「予約が手間」 | 会社による一括予約・代行 |
| 通院中 | 「病院で診てもらっている」 | 受診義務の説明・結果の提出依頼 |
| 不安 | 「悪い結果が怖い」 | 産業医・保健師による面談窓口 |
| 認識不足 | 「任意だと思っていた」 | 就業規則・社内通知での明文化 |
まず未受診者にひとこと理由を聞くだけで、どの対策が効くかが見える。全員に同じ通知を送るより、理由別に動くほうが効率的である。
受診率を上げる声かけは何をどの順番で行う?4段階の手順
声かけは「全体周知→個別リマインド→上長からの直接確認→人事・産業医面談」の4段階で進めるのが効果的である。
- 全体周知(期限の1か月前):対象者・期限・受診方法を社内通知で明示する。
- 個別リマインド(2週間前):未受診者だけに、メールやチャットで期限を伝える。
- 上長からの確認(1週間前):直属の上司が「いつ行けそう?」と日程を聞く。
- 人事・産業医面談(期限後):理由を丁寧に聞き、障壁を取り除く。
声かけのコツは、責めずに具体的な日程を一緒に決めることである。「受けてください」より「〇日か〇日はいかがですか」のほうが行動につながる。
受診率を上げる仕組みづくりに必要な施策は?5つのポイント
受診率を上げる仕組みは、予約代行・期限設定・勤務扱い・進捗管理・再周知の5つを整えることで実現できる。
- 予約の一括代行:会社が医療機関へ団体予約し、社員は日程を選ぶだけにする。
- 受診期限の設定:年度の前半に受診期間を区切り、後ろ倒しを防ぐ。
- 勤務時間内の受診:受診時間の賃金は労使協議事項だが、支払うことが望ましいとされる。
- 未受診者リストの管理:受診状況を一覧化し、部署別に共有する。
- 再周知の自動化:カレンダー通知で声かけの抜け漏れを防ぐ。
運用は週1回15分の設計が現実的である。人事が毎週同じ曜日に未受診者リストを更新し、上長へ共有するだけでよい。担当者の熱意に頼ると、数年で形骸化解決ページで扱うような停滞が起きやすい。習慣化できる軽さが継続の条件である。
何度促しても受診しない社員にはどう対応する?
促しても受診しない場合は、書面で受診を勧奨し、記録を残したうえで就業規則に基づいて対応するのが基本である。
具体的には、受診勧奨書を交付し、日付と本人の回答を記録する。就業規則に「健康診断の受診義務」を明記しておけば、業務命令として扱える。なお、本人が希望する医師による健診を受け、結果を提出した場合は、会社指定の健診は免除される。
記録は会社が実施義務を尽くした証拠になる。口頭のみの対応は避け、必ず書面やメールで残すことが重要である。
未受診者対策を継続するには?損失の見える化がカギ
継続のカギは、受診率をKPI化し、未受診による損失を数字で共有することである。
健診の未受診は、不調の放置による生産性低下、つまりプレゼンティーイズムの損失額シミュレーターで可視化できるコストにも直結する。経営層に数字で示せば、予算と協力を得やすくなる。
当社の支援では、健康経営が定着する企業は3〜4年継続して取り組みを回せている。外部パートナーを使う場合は、比較ページで選び方を確認するとよい。
よくある質問(FAQ)
- Q: 健康診断を受けない社員に罰則はありますか?
- A: 労働者本人への法律上の罰則はありませんが、受診義務はあります。一方、会社が実施しない場合は50万円以下の罰金の対象です。就業規則で受診を義務付けておくことが重要です。
- Q: 健康診断の受診率の目標は何%ですか?
- A: 定期健康診断は対象者の100%受診が目標です。健康経営の認定でも実質100%が求められる項目があります。未受診者をゼロに近づけるため、期限前の個別フォローを徹底しましょう。
- Q: 未受診の社員に受診を促す声かけの例文は?
- A: 「期限が〇日までです。ご都合の良い日を一緒に決めませんか」と責めずに日程を提案する形が効果的です。理由を聞き、予約代行や勤務扱いなど障壁を取り除く提案を添えると受診につながります。
- Q: 会社が健康診断の受診日を指定してもよいですか?
- A: 可能です。事業者には実施義務があり、受診日や医療機関の指定は合理的な範囲で認められます。ただし労働者が希望する医師の健診を受け結果を提出する自由もあるため、柔軟に対応しましょう。
- Q: 受診時間は勤務時間として扱う必要がありますか?
- A: 一般健康診断の受診時間の賃金は労使協議で決める事項で、法律上の支払い義務はありません。ただし円滑な受診のため、賃金を支払うことが望ましいと厚生労働省が示しています。
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