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健康診断の費用は会社負担か|法的義務と負担範囲・自己負担の判断

2026-09-16

健康診断の費用は会社負担か|法的義務と負担範囲・自己負担の判断

健康診断の費用は会社負担が原則です。労働安全衛生法に基づく義務健診の範囲と、自己負担が発生するケースを解説します。

この記事でわかること

  • 健康診断費用が会社負担になる法的根拠
  • 法定項目と法定外項目で異なる費用負担のルール
  • 健診項目別の費用相場と比較
  • 自己負担が発生する具体的なケース
  • 受診時間中の賃金支払いの考え方
この記事の要点

結論として、労働安全衛生法第66条に基づく法定健康診断の費用は、事業者が全額会社負担する義務があります。人間ドックなど法定外項目や再検査費用は、労使間の取り決めがない限り自己負担となるのが一般的です。

健康診断の費用が会社負担になるのは法律上の義務なのか?

結論として、健康診断の費用は原則会社負担であり、これは事業者の努力目標ではなく法律上の義務です。労働安全衛生法第66条は、常時使用する労働者に対して事業者が健康診断を実施することを定めており、実施費用は事業者が負担すべきものとされています。

厚生労働省によると、一般健康診断は事業者に実施義務があり、その費用は事業者が負担することが原則とされています。健診費用を従業員に立替させたまま精算しない、あるいは自己負担を求める運用は、法違反となるおそれがあります。

なお、健診を実施する義務はあっても、就業時間内に実施するか時間外に実施するかは会社の裁量に委ねられており、この点は次章で解説する賃金支払いの論点とは別に整理する必要があります。

法定健康診断と法定外健康診断で費用負担はどう変わる?

法定健康診断(雇入時健診・定期健診など)の費用は会社が全額負担しますが、人間ドックや脳ドックなど法定外の任意項目は、会社が福利厚生として負担するか、従業員の自己負担とするかを労使で自由に決められます。

  • 雇入時健康診断:会社負担(法定義務)
  • 定期健康診断(年1回):会社負担(法定義務)
  • 特定業務従事者健診:会社負担(法定義務)
  • 人間ドック・脳ドックなどの上乗せ項目:会社負担か自己負担かは任意
  • 再検査・精密検査:原則自己負担(法定健診に含まれない)

特に人間ドックへの補助制度を設ける企業も増えていますが、これは福利厚生の一環であり法的義務ではない点に注意が必要です。

健康診断の費用相場はいくら?項目別の負担額比較

健康診断の費用相場は項目数によって大きく異なり、法定項目のみの一般健診で1人あたり5,000円〜8,000円程度、人間ドックを含めると3万円〜5万円程度が目安です。

健診の種類 費用相場(1人あたり) 費用負担者
雇入時健康診断 約5,000円〜7,000円 会社(義務)
定期健康診断(法定項目のみ) 約5,000円〜8,000円 会社(義務)
特定業務従事者健診 約8,000円〜1万円 会社(義務)
人間ドック(上乗せ) 約3万円〜5万円 会社・個人(任意)
再検査・精密検査 数千円〜数万円 個人(原則)

複数のクリニックから見積もりを取り、受診人数に応じた団体割引を交渉することで、法定健診の費用は1人あたり数百円単位で削減できるケースもあります。

自己負担が発生するのはどんなケースか?

自己負担が発生する代表的なケースは、法定項目を超えるオプション検査を従業員が個人で追加した場合と、健診結果を踏まえた再検査・精密検査を受ける場合です。

また、退職後に受診する健診や、会社指定の医療機関以外で個人的に受診した健診についても、会社負担の対象外となるのが一般的です。就業規則や健診規程に負担範囲を明記しておくことで、トラブルを未然に防げます。

受診時間中の賃金は会社が支払う義務があるのか?

結論として、法定健康診断の受診時間について賃金を支払う法律上の義務はありません。ただし、厚生労働省は労使が協議のうえ、受診時間を有給扱いとすることが望ましいとしています。

実務上は、就業時間内に健診を実施し、受診時間分の賃金を控除しない運用を採用する企業が大半です。健診の実施率を高める観点からも、有給扱いとする方が受診率向上につながりやすいといえます。

健康診断費用を会社負担にする際に気をつけたいポイント

費用負担のルールを明確にしないまま健診を続けると、制度が形骸化し、有所見者への事後措置が後回しになるリスクがあります。有所見者を放置すれば、体調不良による欠勤や生産性低下(プレゼンティーイズム)の損失が拡大しかねません。自社の損失規模を把握したい場合は、損失額シミュレーターで試算できます。健診制度そのものの形骸化を防ぎたい場合は、形骸化解決ページも参考になります。

また、法定健診を超えて健康経営に取り組む場合、自社に合ったコンサル比較・選び方の視点が重要です。支援会社ごとに費用負担の範囲や支援内容は異なるため、比較ページで条件を整理してから選定することをおすすめします。

よくある質問(FAQ)

Q: 健康診断の費用は全額会社負担になりますか?
A: 労働安全衛生法で定められた法定項目の費用は原則会社負担です。人間ドックなど法定外の追加項目は、労使の取り決め次第で自己負担となる場合があります。
Q: パート・アルバイトも健康診断費用は会社負担ですか?
A: 週の所定労働時間が正社員の4分の3以上など一定条件を満たす場合、パート・アルバイトも法定健康診断の対象となり、費用は会社負担となります。
Q: 健康診断の受診時間分の給与は支払われますか?
A: 法律上の明確な賃金支払い義務はありませんが、厚生労働省は労使協議のうえ有給扱いとすることが望ましいとしています。
Q: 再検査や精密検査の費用も会社負担ですか?
A: 再検査・精密検査は法定健診に含まれないため、原則本人負担です。ただし就業判定に必要な場合は、会社負担とする企業もあります。
Q: 健康診断費用を会社負担にしないとどうなりますか?
A: 法定健診を実施しない、または費用を従業員に負担させると労働安全衛生法違反となり、50万円以下の罰金が科される可能性があります。

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この記事の監修
中山友貴 / WellCon 健康経営コンサルタント

ストレッチジムの店舗運営と整体院向けSaaS「バディフル」(300院以上導入)を通じて、IT×店舗運営の両軸で健康経営支援に従事。「医学的根拠×IT定着×ROI可視化」を強みとするWellConを立ち上げ、従業員100〜300名の中堅企業向けに健康経営優良法人申請から運動プログラム定着まで一貫支援している。

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