産業医の面談記録票テンプレートを無料ダウンロード(記入例つき)
「産業医の面談記録票をすぐに使える形で手に入れたい」「書き方の見本がほしい」という人事・労務担当者のために、そのまま使える面談記録票テンプレートを無料で用意しました。Word/Excel/PDF形式に加え、本記事内にコピペで使える表も掲載しています。まずはダウンロードして、自社の様式に合わせて調整してください。
※ダウンロードフォームから取得できます。記入例と5つの必須項目は、このあとすぐに確認できます。
結論:産業医の面談記録票は、面談日時・対象者・主訴・医学的所見・就業上の措置の5項目を正確に記録し、原則5年間保管することが法的に定められています。記録は産業医が管理し、事業者へは就業措置に必要な情報のみを「意見書(報告書)」として提出するのが基本です。
本記事では、すぐ使える面談記録票テンプレートと記入例を起点に、5つの必須項目の書き方、面談種別ごとのひな型差分、報告書(意見書)との違い、個人情報保護に配慮した保管方法、よくある疑問(FAQ)まで網羅的に解説します。
監修:中山友貴(健康経営コンサルタント)
この記事でわかること
- すぐ使える産業医 面談記録票テンプレートの入手と活用方法
- 面談記録票に不可欠な5つの必須記載項目とその記入例
- 長時間労働・メンタルヘルス・復職など面談種別ごとのひな型の違い
- 面談記録票と事業者への報告書(意見書)の明確な違いと使い分け方
- 個人情報保護法を踏まえた、記録票の取り扱いと安全な保管方法
- 法律で定められた保管期間と、安全な廃棄ルール
- 面談記録票の作成・管理に関する、よくある疑問とその回答(FAQ)
産業医 面談記録票の記入例(コピーして使える見本)
実際の記載イメージがつかめるよう、架空の事例で記入例を示します。そのままテンプレートとして写し、自社の様式に合わせて調整してください。個人が特定されない表現と、客観的・具体的な記述を心がけるのがポイントです。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 面談日時 | 2026年5月20日(火)14:00〜14:40 |
| 面談場所 | 本社3F 健康相談室(個室) |
| 対象者 | 営業部 A氏(30代・男性)/面談区分:長時間労働者面談 |
| 実施者 | 産業医 ○○、同席:人事部 △△ |
| 主訴・状況 | 直近1か月の時間外労働が約80時間。入眠困難と日中の倦怠感を訴える。食事はコンビニ中心、運動習慣なし。 |
| 医学的所見 | 過重労働による身体的・精神的負担の増大が懸念される。睡眠不足と食欲不振により健康状態が悪化するリスクあり。 |
| 就業区分・措置 | 就業制限(時間外労働を月45時間以内、深夜業務を当面禁止)。3か月後に再面談。 |
| 本人の意向 | 業務軽減には同意。休暇取得は上司と相談したい意向。 |
この記入例の各項目を、ダウンロードしたテンプレートの該当欄に当てはめれば、抜け漏れのない記録票が完成します。
産業医の面談記録票とは?その目的と重要性
産業医の面談記録票とは、産業医が従業員との面談内容を詳細に記録した公的な文書です。労働安全衛生法に基づき、産業医は事業者の依頼を受け、従業員の健康状態を把握し、必要に応じて就業上の措置を講じるために面談を実施します。その面談内容を正確に記録票へ残すことは、従業員の健康管理、過重労働対策、メンタルヘルスケア、そして職場環境の改善に不可欠です。
面談の種類は多岐にわたりますが、主に以下のようなケースで記録票が作成されます。
- 定期健康診断後の面談:健康診断で異常所見が認められた従業員に対し、就業上の措置(例:業務内容の変更、残業時間の制限など)を検討するための面談。
- 長時間労働者への面接指導:週の労働時間が一定時間を超える(一般的には月80時間超)従業員に対して、健康障害の予防を目的として義務付けられている面談。
- メンタルヘルス面談・復職面談:ストレスチェックで高ストレスと判定された従業員、休職中の従業員、あるいは休職からの復職を希望する従業員との面談。
これらの面談記録票は、単なる記録としてだけでなく、従業員の健康状態の推移を把握し、予防的な介入を行うための重要なデータとなります。また、法的な要件を満たすための証拠としても機能するため、正確かつ網羅的な記録票の作成が求められます。
産業医 面談記録の書き方:5つの必須記載項目と具体例
産業医の面談記録票を正確かつ網羅的に作成するためには、以下の5つの必須項目を漏れなく記載することが極めて重要です。厚生労働省が公表している「面接指導制度のガイドライン」なども参考に、実務で役立つ様式を整えましょう。
1. 面談の基本情報(いつ、誰が、誰と、どこで面談したか)
記録票の冒頭には、面談の基本的な情報を正確に記録します。これは、記録の特定や管理、後々の参照において不可欠な項目です。
- 面談実施日時・場所:例「2024年5月15日(水)10:00〜10:30、産業医室」
- 対象者の氏名・所属部署・職種・年齢:例「山田太郎、営業部、営業職、35歳」
- 面談種別:例「定期健康診断結果に基づく面談」「月85時間超の長時間労働者への面接指導」「休職からの復職面談」
- 担当産業医名:面談を実施した産業医の氏名を記載します。
2. 主訴・面談内容(本人が何を訴え、どのような状況か)
この項目では、面談の核心となる、従業員が抱える悩みや症状、そしてそれを取り巻く状況を具体的に記録します。産業医が観察した内容と、従業員が直接伝えた内容を区別して記載することで、より客観的で詳細な記録票となります。
- 自覚症状・主訴:例「最近、夜中に何度も目が覚めてしまう」「仕事のプレッシャーで食欲がない」「肩こりと頭痛がひどい」
- 睡眠・食欲・生活習慣の状況:例「睡眠時間は平均4時間程度。寝つきは良いが途中で目が覚める。食事はコンビニ弁当が多く野菜不足。運動は週1回程度。」
- 業務負荷・労働時間・職場環境の状況:例「担当プロジェクトが増え、残業時間が週20時間程度増加。納期が迫り精神的プレッシャーを感じている。上司との連携に課題。」
- 受診・服薬状況(通院先・薬の種類等):例「2ヶ月前に内科を受診し胃腸薬を処方。現在も毎日服用中。専門医の受診はなし。」
3. 医学的所見と就業上の措置(産業医としての判断と提言)
産業医としての専門的な視点から、従業員の健康状態に対する医学的な評価を記載します。単に「要注意」といった曖昧な表現ではなく、具体的な就業上の措置を明確に提言することが重要です。
- 医学的所見・診察結果の概要:例「自覚症状の訴えと一部の検査結果から、過労による身体的・精神的負担の増加が懸念される。特に睡眠不足と食欲不振は健康状態を悪化させるリスクがある。」
- 就業区分:例「通常勤務」「就業制限(残業時間月20時間以内、深夜業務の当面禁止)」「要休業(医師の診断書に基づく)」
- 事業者への具体的な措置推奨内容:例「業務負荷軽減のため担当業務の一部を同僚と分担することを推奨。短期間の有給休暇取得の検討も推奨。」
- 本人への説明内容と本人の意向:例「健康状態と業務負担の関連性、推奨される就業措置を説明。本人は業務軽減には同意したが、休暇取得は上司と相談したい意向。」
- 次回面談予定の有無・時期:例「3ヶ月後の定期面談時に再度状況を確認する。」
4つ目・5つ目の必須要素である「就業区分」と「事業者への措置推奨」は、後述する報告書(意見書)の基礎にもなります。記録票の段階で具体的に書いておくと、意見書への転記がスムーズになります。
面談種別ごとの記録票ひな型の違い(長時間労働/メンタル/復職)
面談記録票は共通の5項目をベースにしつつ、面談種別ごとに重点を置く欄が変わります。テンプレートを面談種別で使い分けると、記録漏れと書き直しを防げます。
長時間労働者面談用の記録票
- 追加で記録する欄:直近1〜数か月の時間外労働時間、業務の繁忙状況、申し出の有無
- 重点:疲労蓄積度、睡眠時間、就業制限(残業上限・深夜業務制限)の具体値
メンタルヘルス面談用の記録票
- 追加で記録する欄:ストレスチェックの結果区分、職場の人間関係・ハラスメントの有無、希死念慮の確認
- 重点:専門医受診の要否、本人同意のうえでの上司・人事への連携範囲
復職面談用の記録票
- 追加で記録する欄:休職期間、主治医の診断書・意見、復職可否の判断、段階的復職(リハビリ勤務)プラン
- 重点:復職後のフォローアップ計画、就業上の配慮事項
ダウンロードしたテンプレートは、これらの追加欄を加えるだけで面談種別ごとのひな型として運用できます。
報告書(意見書)と面談記録票:目的と宛先の違いを理解する
産業医が作成する書類には、「面談記録票」と「報告書(意見書)」の2種類があり、それぞれ目的と提出先が異なります。この違いを正しく理解し、適切に使い分けることが、情報管理の第一歩となります。
面談記録票(産業医が保管)
- 目的:産業医が従業員との面談内容を詳細に記録・管理し、継続的な健康管理やフォローアップの基礎資料とする。
- 内容:医学的所見、診察結果、従業員の詳細な訴え、生活状況、産業医の所見、就業上の措置の推奨など、機微な医学情報を含む。
- 守秘義務:産業医には守秘義務があり、本人の同意なしに詳細な医学情報を第三者に開示することはできない。
- 保管者:原則として産業医自身が手元で保管・管理する。
報告書(意見書)(事業者に提出)
- 目的:従業員の健康状態に基づき、事業者が講じるべき就業上の措置について情報提供し、助言を行う。
- 内容:詳細な医学情報ではなく、就業区分、業務上の制限、作業環境の改善提案など、事業者が判断・実施するために必要な情報に限定。
- 提出先:事業者(経営者、人事・労務担当者など)。
- 法的根拠:労働安全衛生法に基づき、事業者は産業医の意見を尊重し、必要な措置を講じる義務がある。
事業者は、産業医から提出された意見書に基づき、従業員が健康に就業を継続できる職場環境の整備や適切な人員配置などの措置を講じます。面談記録票は、あくまで産業医が従業員との継続的な信頼関係を築き、きめ細やかな健康管理を行うための基礎資料として、産業医の手元に保管されます。
記録票の作成・管理における3つの重要注意点
産業医の面談記録票を作成・管理する上で、特に注意すべき点が3つあります。これらを遵守することで、従業員のプライバシーを守り、法的なコンプライアンスを確保することができます。
1. 個人情報・守秘義務への徹底した配慮
産業医は、面談を通じて知り得た従業員の健康情報や個人情報について、厳格な守秘義務を負っています。この情報を不当に第三者に開示することは、法的な問題に発展する可能性があります。
- 電子データの場合:アクセス権限の設定(閲覧者の限定)、ファイルのパスワード保護・暗号化、安全な場所への定期的なバックアップ。
- 紙媒体の場合:施錠できるキャビネットでの保管、産業医や産業保健スタッフなど業務上必要な担当者のみへの閲覧許可。
従業員本人からの同意なしに、面談内容の詳細を上司や同僚、さらには家族に伝えることは絶対に避けるべきです。
2. 記録票の保管期間と安全な廃棄ルール
労働安全衛生規則では、産業医が作成・保管すべき記録の期間が定められています。これに違反すると、法的な問題が生じる可能性があります。
- 保管期間:健康診断結果に基づく面談記録、長時間労働者への面接指導記録などは、原則として5年間の保管が義務付けられています(労働安全衛生規則第51条など)。
- 廃棄ルール:保管期間が終了した記録票は、個人情報漏洩のリスクを最小限に抑えるため、シュレッダー処理や機密書類処理の専門業者への委託により適切に廃棄します。社内ルールを明確にしておくことが重要です。
3. 客観的かつ具体性の高い記述を心がける
面談記録票は、感情論や推測に基づいた記述ではなく、観察した事実を客観的に記述することが原則です。これにより、担当者が変わっても、時間が経過しても、状況を正確に把握できます。
- 避けるべき表現:「元気そうだった」「少し疲れている様子だった」
- 推奨される記述例:「表情は穏やかで会話のやりとりはスムーズ。応答に遅延や途切れは見られなかった。ただし会話中に時折、顔をしかめる仕草が見られた。」
このように、具体的な行動や観察結果を記述することで、記録票の客観性と信頼性が向上します。
面談記録票テンプレートの構成と活用のポイント
面談記録票を効率的かつ正確に作成するには、あらかじめテンプレートを用意しておくことが有効です。チェックリスト形式になっていると、記録漏れを防ぎながら作業をスムーズに進められます。冒頭でダウンロードしたテンプレートは、以下の構成要素をすべて備えています。
面談記録票テンプレートの構成要素(チェックリスト形式)
- □ 面談実施日・時間・場所:具体的に記録
- □ 対象者情報:氏名、所属部署、職種、年齢、勤続年数
- □ 面談種別:定期健診後、長時間労働、メンタルヘルス、復職、その他(具体的に)
- □ 担当産業医:氏名
- □ 主訴・自覚症状:従業員が訴える具体的な症状や悩み
- □ 生活状況:睡眠、食欲、飲酒、喫煙、運動習慣など
- □ 業務状況:業務内容、労働時間、残業時間、業務負荷、職場環境(人間関係、ハラスメントの有無など)
- □ 既往歴・現病歴:過去の病歴、現在の疾患、アレルギーなど
- □ 受診・服薬状況:通院先、処方薬剤名、服薬状況
- □ 医学的所見:診察結果、身体計測値(血圧、脈拍など)、検査結果の概要
- □ 産業医としての評価・診断:健康状態に関する専門的な判断
- □ 就業区分・就業上の措置:通常勤務、就業制限(具体的内容)、要休業など
- □ 事業者への報告・推奨事項:意見書として提出する内容
- □ 本人への説明内容:健康指導、リスク説明、措置の説明など
- □ 本人(従業員)の意向・反応:理解度、同意、懸念事項など
- □ 次回の面談予定・フォローアップ計画:頻度、時期、確認事項など
- □ その他特記事項
テンプレート活用のポイント
- カスタマイズ:自社の業務内容や産業医の専門性に合わせて項目を追加・削除・変更し、より実用的な記録票に仕上げましょう。
- 事前準備:面談前にテンプレートを確認し、今回の面談で特に注力すべき項目を把握しておくと、効率的な面談と記録作成が可能です。
- 継続的な更新:法改正や社会情勢の変化に合わせて、テンプレートの内容を定期的に見直しましょう。
なお、経済産業省が推進する「健康経営」においては、産業医活動の記録整備が健康経営優良法人の認定基準にも関わる重要な取り組みとして位置づけられています。認定取得を目指す企業にとっても、面談記録票の適切な管理は健康経営を推進する上での基盤となります。
産業医 面談記録票に関するよくある質問(FAQ)
Q. 面談記録票に決まった様式はありますか?
法律で統一様式は定められていません。ただし、面談日時・対象者・主訴・医学的所見・就業上の措置の5項目は必須です。本記事のテンプレートはこの要件を満たしているため、ダウンロードしてそのまま運用できます。
Q. 面談記録票は誰が保管しますか?
機微な医学情報を含む面談記録票は、原則として産業医が手元で保管・管理します。事業者には、就業上の措置に必要な情報のみを記載した報告書(意見書)が提出されます。
Q. 保管期間はどのくらいですか?
健康診断結果に基づく面談記録や長時間労働者への面接指導記録などは、原則5年間の保管が義務付けられています(労働安全衛生規則第51条など)。
Q. テンプレートはそのまま使ってよいですか?
はい。冒頭のリンクから入手できるWord/Excel/PDFテンプレートは、自社の様式に合わせて項目を調整したうえでご利用いただけます。記入例も参考にしてください。
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面談記録票の整備は、健康経営を推進する取り組みの一部です。「何から着手すべきか」「自社の健康経営をどう進めるか」を体系的に知りたい方へ、健康経営の進め方をまとめた白書を無料で配布しています。面談記録票テンプレートとあわせて、ぜひお役立てください。
ご不明な点や自社に合った進め方のご相談は、お問い合わせフォームより承っています。
📘 この記事は健康経営の体系ガイドの一部です。全体像は健康経営とは?制度・認定・効果をまとめた完全ガイドでまとめて確認できます。