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健康経営 実務

特定保健指導の実施率を上げる方法|対象者が参加しない理由と勤務時間内実施・声かけの工夫

特定保健指導の実施率を上げる方法|対象者が参加しない理由と勤務時間内実施・声かけの工夫
この記事の目次7項目
  1. 特定保健指導の実施率向上が必要な理由は?現状は26.5%
  2. 対象者が特定保健指導に参加しない理由は?5つの原因と対策
  3. 特定保健指導の実施率向上に効く方法は?3つの施策
  4. 特定保健指導を勤務時間内に実施するには?4つの手順
  5. 特定保健指導の声かけはどう工夫する?対象者が動く3つのコツ
  6. 特定保健指導の実施率向上で失敗しないために|形骸化を防ぐ3点
  7. よくある質問(FAQ)

特定保健指導の実施率向上には、勤務時間内の実施と声かけの工夫が有効です。参加しない理由を整理し、具体策を解説します。

この記事でわかること

  • 特定保健指導の実施率の現状と第4期の目標値(45%以上)
  • 対象者が特定保健指導に参加しない5つの理由
  • 勤務時間内に実施するための具体的な運用手順
  • 上司・人事ができる声かけの文例とタイミング
  • 実施率向上が形骸化しないための3つのチェックポイント
この記事の要点

特定保健指導の実施率を上げる鍵は、参加しない理由である「時間がない」「必要性を感じない」を先に解消することである。勤務時間内実施、上司からの個別の声かけ、ICT面談の3点を組み合わせれば、全国平均26.5%を超える水準を狙える。

特定保健指導の実施率向上が必要な理由は?現状は26.5%

特定保健指導の実施率は、2022年度で26.5%にとどまっている。第4期(2024〜2029年度)の国の目標は45%以上であり、約20ポイントの開きがある。

特定保健指導とは、特定健診の結果でメタボリックシンドロームのリスクが高いと判定された40〜74歳に対し、生活習慣の改善を支援する制度である。支援は次の2種類に分かれる。

  • 動機付け支援:原則1回の面談と、3か月後以降の実績評価
  • 積極的支援:3か月以上の継続的な支援(面談と電話・メール等)

厚生労働省によると、第4期では腹囲2cm・体重2kgの減少といった成果を重視する評価(アウトカム評価)が導入された。受けっぱなしではなく、結果を出す支援が求められている。生活習慣病リスクの放置は、体調不良による生産性低下(プレゼンティーイズム)の損失にもつながる。自社の影響額は損失額シミュレーターで試算できる。

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対象者が特定保健指導に参加しない理由は?5つの原因と対策

参加しない主な理由は、「忙しい」「必要性を感じない」「面倒」「自覚症状がない」「何をされるか不安」の5つである。多くは本人の意欲ではなく、運用設計で解消できる。

参加しない理由 背景 有効な対策
忙しくて時間がない 面談が就業時間外・遠方で設定されている 勤務時間内・社内会場・オンライン面談
必要性を感じない 自覚症状がなく、リスクが実感できない 数値で将来リスクを示す、上司が個別に声かけ
面倒・手続きが複雑 予約方法が分かりにくい 日程を会社が先に確保し、案内を1枚に集約
指導されるのが嫌 叱責される印象がある 「相談の場」と位置づけ、事前に内容を周知
途中で脱落する 積極的支援は3か月以上続く ICTで負担を減らし、短い面談を繰り返す

特定保健指導の実施率向上に効く方法は?3つの施策

効果が出やすい施策は、①勤務時間内の実施、②上司・人事による個別の声かけ、③ICTを活用した面談の3つである。いずれも対象者の負担を下げる方向に働く。

  • 日程の先取り:健診結果が届く前に、面談枠を会社が確保しておく
  • 保険者・健診機関との連携:健診当日に初回面談を行う分割実施を活用する
  • ICT面談:移動時間がなくなり、拠点が複数ある企業でも受けやすい
  • 対象者リストの管理:未実施者を月次で確認し、早めに再案内する

WellConが支援する企業では、週1回15分設計(週に1回、15分だけ面談・フォローの枠を固定する運用)が定着しやすい。短時間なら業務への影響が小さく、現場の理解も得やすいためである。

特定保健指導を勤務時間内に実施するには?4つの手順

勤務時間内に実施するには、就業規則・業務調整・会場確保・周知の4つを先に整えることが必要である。面談時間を勤務扱いにすると明文化するだけで、参加のハードルは大きく下がる。

  1. 面談時間を勤務時間として扱うことを社内規程で明示する
  2. 部署ごとに業務の少ない時間帯を確認し、面談枠を設定する
  3. 会議室など社内の会場、またはオンライン環境を用意する
  4. 対象者と上司の双方に、日程と目的を事前に通知する

上司への通知が重要である。上司が「業務より優先してよい」と一言伝えるだけで、現場の遠慮は解消される。

特定保健指導の声かけはどう工夫する?対象者が動く3つのコツ

声かけは、「個別に」「数値を添えて」「相談の場として」伝えると効果が高い。一斉メールだけでは、自分ごととして受け取られにくい。

  • 個別に伝える:「あなたの健診結果で、改善の余地が見つかりました」と本人宛てに伝える
  • 数値を添える:腹囲や血圧など、本人の数値をもとに将来のリスクを説明する
  • 相談の場にする:「指導」ではなく「無理なく続けられる方法を一緒に考える場」と伝える

タイミングは、健診結果の通知から2週間以内が目安である。時間が空くほど関心が薄れるため、結果通知と同時に案内するとよい。

特定保健指導の実施率向上で失敗しないために|形骸化を防ぐ3点

実施率向上で失敗する原因は、数字だけを追い、取り組みが形骸化することである。形骸化への対処は形骸化解決ページでも解説している。

  • 実施率だけでなく、体重・腹囲の改善など成果も追う
  • 外部の保健指導機関を使う場合は、費用だけでなく実績やサポート体制を基準にした選び方をする。比較の観点は比較ページが参考になる
  • 毎年の振り返りで運用を見直し、改善を続ける

WellConの支援実績では、取り組みの平均継続期間は3〜4年である。単年で成果を求めず、数年単位で仕組みを定着させる姿勢が結果につながる。

よくある質問(FAQ)

Q: 特定保健指導の実施率は全国でどのくらいですか?
A: 2022年度の実施率は26.5%です。第4期(2024〜2029年度)の目標は45%以上で、まだ開きがあります。保険者の種類によっても差があるため、自社の保険者の数値を確認しましょう。
Q: 特定保健指導を勤務時間内に行ってもよいですか?
A: 問題ありません。むしろ参加しやすくなるため推奨されます。面談時間を勤務扱いにすると規程で明確にし、上司にも周知しておくと、現場が遠慮せず参加できます。
Q: 特定保健指導を断る人にはどう対応すべきですか?
A: まず断る理由を聞き取りましょう。時間の問題ならオンライン面談や日程変更、不安なら内容の説明が有効です。強制ではなく、相談の場だと伝え直すことが大切です。
Q: 特定保健指導は受けないとどうなりますか?
A: 受けなくても本人への罰則はありませんが、生活習慣病のリスクが放置されます。保険者には実施率に応じた後期高齢者支援金の加算・減算があるため、会社側の負担にも影響します。
Q: ICT面談は実施率向上に効果がありますか?
A: 効果が期待できます。移動時間がなく、就業時間内の短い枠でも受けられるため、拠点が分散する企業や多忙な対象者の参加ハードルが下がります。初回面談の分割実施と併用するのも有効です。

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この記事の監修
中山友貴 / WellCon 健康経営コンサルタント

ストレッチジムの店舗運営と整体院向けSaaS「バディフル」(500院以上導入)を通じて、IT×店舗運営の両軸で健康経営支援に従事。「医学的根拠×IT定着×ROI可視化」を強みとするWellConを立ち上げ、従業員100〜300名の中堅企業向けに健康経営優良法人申請から運動プログラム定着まで一貫支援している。

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この記事の監修

中山 友貴WellCon 健康経営コンサルタント/株式会社co-nect 代表

整体院向けシステム「バディフル」(500院以上が導入)とストレッチジムの店舗運営で積み上げた現場の知見をもとに、従業員100〜300名の企業の健康経営優良法人の認定取得から、社内での運動プログラム定着までを支援している。

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