治療と仕事の両立支援プランの作り方を解説します。がんや持病のある従業員が働き続けるための手順と、主治医意見書の取り方がわかります。
- 両立支援プランの4ステップと必須の記載項目
- 主治医意見書の依頼の流れと勤務情報提供書の書き方
- 短時間勤務制度など5つの配慮の比較
- プランを定着させる見直しと情報管理のコツ
治療と仕事の両立支援プランは、従業員の申出、主治医意見書、関係者面談、プラン作成の4ステップで作ります。就業上の措置を書面化し、短時間勤務などを組み合わせ、3〜6か月ごとに見直すことが成功の鍵です。
治療と仕事の両立支援プランとは?作成が求められる理由
治療と仕事の両立支援プランとは、治療を続ける従業員のために、勤務時間・業務内容・通院への配慮を個別に定めた書面の計画です。厚生労働省のガイドラインが作成を推奨しています。
厚生労働省によると、病気を抱えながら働く人は労働者の約3人に1人です。2026年4月施行の改正で、両立支援は事業主の努力義務になりました。詳細は厚生労働省の両立支援ページで確認できます。
支援がないと、体調不良のまま働くプレゼンティーイズムが長期化します。自社の損失は損失額シミュレーターで試算できます。
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プランは①本人の申出 ②主治医意見書 ③関係者面談 ④プラン作成・共有の4ステップで作成します。
- 本人が人事窓口へ両立支援の申出書を提出する
- 本人が主治医に意見書を依頼する
- 産業医・人事・上司が本人と面談し、就業上の措置を検討する
- 勤務時間・業務内容・通院日・見直し時期を記載し、本人の同意を得て共有する
WellConの支援事例では、上司との週1回15分設計の短い面談で、体調と業務量を確認しています。治療と就労が並行する期間は平均継続期間3〜4年のため、3〜6か月ごとの見直しが前提です。
主治医意見書はどう取る?依頼の流れと記載項目
主治医意見書は、会社が作成した勤務情報提供書を従業員が主治医へ渡し、就業の可否と配慮事項を記載してもらうことで取得します。会社が医療機関へ直接依頼することはできません。
主治医は職場の状況を知らないため、勤務情報提供書には次を記載します。
- 職種と主な業務内容
- 勤務時間・交替制・出張の有無
- 通勤方法と所要時間
- 利用できる両立支援制度
意見書には、治療の状況、就業継続の可否、望ましい就業上の措置、通院頻度、配慮が必要な期間が記載されます。医療機関は療養・就労両立支援指導料を算定できる場合があり、相談しやすい窓口です。
短時間勤務制度など5つの配慮はどう比較する?
治療中の配慮は、症状と通院頻度に合わせて短時間勤務・時差出勤・時間単位年休・在宅勤務・休職から選ぶのが基本です。下表で特徴を比較できます。
| 制度 | 内容 | 向く場面 | 留意点 |
|---|---|---|---|
| 短時間勤務 | 1日6時間・4時間などに短縮 | 抗がん剤・放射線治療中 | 給与・評価の扱いを事前に決める |
| 時差出勤 | 始業・終業時刻をずらす | 通院が朝夕に集中する場合 | 引き継ぎ時間を確保する |
| 時間単位年休 | 1時間単位で取得 | 通院が短時間で済む場合 | 年休残日数が不足しやすい |
| 在宅勤務 | 通勤負担を減らして就業 | 免疫低下・通勤が負担な場合 | 職種により適用できない |
| 休職・傷病手当金 | 一定期間就業せず療養 | 入院・手術直後 | 支給は最長1年6か月(通算) |
短時間勤務に法律上の基準はなく、会社が自由に設計できます。段階的に時間を延ばすステップを設けると、体調悪化の予防につながります。
両立支援プランを定着させる運用ポイントは?
プランを定着させる最大のポイントは、見直し日と担当者をプランに明記することです。作成して終わる形骸化の防ぎ方は、形骸化解決ページでも解説しています。
- 見直し時期を3〜6か月ごとに固定する
- 管理職に病気の基礎知識と配慮の研修を行う
- 相談窓口を人事に一本化し、共有範囲は本人の同意を得る
病名は本人の同意なく共有せず、上司には配慮内容のみを伝えます。
外部の専門家に頼むときの選び方は?
外部支援の選び方は、産業医・社労士との連携体制、両立支援の実績、中小企業への対応力の3点で判断します。健康経営コンサルの選び方は比較ページで整理しています。産業医が不在の事業場は、産業保健総合支援センターの無料相談も活用できます。
よくある質問(FAQ)
- Q: 治療と仕事の両立支援プランの作成は法的義務ですか?
- A: 罰則つきの義務ではありませんが、2026年4月施行の改正で両立支援は事業主の努力義務になりました。厚生労働省のガイドラインに沿い、本人同意のもとで書面化しておくと、安全配慮義務の観点でも有効です。
- Q: 主治医意見書の作成費用は誰が負担しますか?
- A: 文書料は医療機関ごとに異なり、法律上の負担者は決まっていません。本人負担が一般的ですが、会社が求める場合は会社負担とする企業もあります。トラブル防止のため、規程に負担ルールを明記しておきましょう。
- Q: 短時間勤務制度は何時間から導入できますか?
- A: 法定の基準はなく、会社が決められます。1日6時間や4時間など段階的に設定し、副作用や通院頻度に合わせて見直す運用が一般的です。給与や評価の扱いも事前に決めておくと混乱を防げます。
- Q: 病名を知られたくない従業員にはどう対応しますか?
- A: 病名は必須情報ではなく、就業上必要な配慮の内容だけを共有すれば足ります。本人の同意なく上司や同僚に病名を伝えてはいけません。共有範囲を確認する同意書を作り、情報は人事・産業医など最小限にとどめます。
- Q: 産業医がいない中小企業はどうプランを作りますか?
- A: 産業保健総合支援センターや地域産業保健センターの無料相談、社会保険労務士、両立支援コーディネーターを活用して作成できます。まずは申出書と勤務情報提供書の様式を整えるところから始めましょう。
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📘 この記事は健康経営の体系ガイドの一部です。全体像は健康経営とは?制度・認定・効果をまとめた完全ガイドでまとめて確認できます。
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