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健康経営 実務

治療と仕事の両立支援|がん・心疾患で通院する社員への休暇制度・勤務調整・主治医との連携の進め方

治療と仕事の両立支援|がん・心疾患で通院する社員への休暇制度・勤務調整・主治医との連携の進め方
この記事の目次6項目
  1. 中小企業の両立支援とは? 義務の有無と基本の考え方
  2. 通院社員に使える休暇制度は? 中小企業が整える3つの基本
  3. 勤務調整は何を決める? 中小企業が押さえる4つの項目
  4. 主治医との連携はどう進める? 5ステップの手順
  5. 両立支援を形骸化させないコツは? 週1回15分設計で続ける
  6. よくある質問(FAQ)

両立支援は中小企業でも小さく始められます。がん・心疾患で通院する社員を辞めさせない休暇制度・勤務調整・主治医連携の進め方を整理します。

この記事でわかること

  • 中小企業が両立支援を始める前に整えるべき3つの前提
  • 時間単位年休・傷病休暇・休職制度の違いと導入ポイント
  • 勤務情報提供書と主治医意見書を使った連携5ステップ
  • 週1回15分の面談で両立支援を続ける運用方法
この記事の要点

両立支援は中小企業でも、休暇制度・勤務調整・主治医連携の3点を最小限整えれば始められる。相談窓口と勤務情報提供書を先に用意し、週1回15分の面談で運用すれば、通院社員の離職を防げる。

中小企業の両立支援とは? 義務の有無と基本の考え方

両立支援(治療と仕事の両立支援)とは、がんや心疾患などの病気を抱える社員が、治療を続けながら働き続けられるよう、事業場が休暇・勤務・健康面で配慮する取り組みである。

厚生労働省の治療と仕事の両立支援によると、何らかの疾病を抱えながら働く人は労働者の約3人に1人にのぼる。2026年4月からは、両立のための措置を講じることが事業主の努力義務となった。

専任の人事担当者がいない中小企業では、次の3点を先に整えるのが現実的である。

  • 相談窓口(誰に申し出るか)を1人決める
  • 休暇・勤務調整のルールを就業規則に明記する
  • 病名などの情報を本人同意のもとで管理する
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通院社員に使える休暇制度は? 中小企業が整える3つの基本

最低限そろえるべき休暇制度は、時間単位年休・傷病休暇・休職制度の3つである。通院は1〜2時間や半日で済む日が多く、柔軟な取得単位が離職防止に直結する。

制度 内容 導入のポイント
時間単位年休 年休を1時間単位で取得(年5日分まで) 労使協定の締結が必要
傷病休暇 通院や体調不良のための特別休暇 有給・無給は会社が決められる
休職制度 長期治療中も雇用を維持する仕組み 期間と復職条件を明記する

勤務調整は何を決める? 中小企業が押さえる4つの項目

勤務調整で決めるべきは、時間・場所・業務内容・見直し時期の4項目である。

  • 時間:時差出勤、短時間勤務、通院日の配慮
  • 場所:在宅勤務、通勤負担の少ない拠点への配置
  • 業務内容:重量物運搬・出張・夜勤などの一時免除(心疾患では特に重要)
  • 見直し時期:3か月ごとに本人と調整内容を再確認

がんの抗がん剤治療は副作用で体調に波が出るため、固定的な配慮より、体調に応じて変えられる設計が有効である。

主治医との連携はどう進める? 5ステップの手順

主治医との連携は、本人の同意を得て、会社が仕事の情報を渡し、主治医から就業上の意見をもらう流れで進める。

  1. 本人から配慮の申出を受け、情報共有の範囲を確認する
  2. 会社が「勤務情報提供書」に業務内容・勤務時間を記入し、本人経由で主治医へ渡す
  3. 主治医が就業の可否や配慮事項を意見書に記載する
  4. 産業医または産業保健総合支援センターの助言を得る
  5. 両立支援プランを作成し、本人と合意する

主治医は職場の仕事内容を知らないため、情報提供書の中身が連携の質を決める。

両立支援を形骸化させないコツは? 週1回15分設計で続ける

形骸化を防ぐコツは、週1回15分の短い面談を固定することである。上司または人事が本人と体調・業務量・困りごとを確認し、メモ1枚に残す。

当社の支援事例では、通院を伴う配慮の平均継続期間は3〜4年である。制度を作るだけでなく、長期で回す仕組みが欠かせない。

また、体調不良を押して働くプレゼンティーイズム(出勤していても生産性が落ちる状態)は損失が見えにくい。損失額シミュレーターで自社の影響額を試算し、代替要員や業務分担の予算根拠にするとよい。

よくある質問(FAQ)

Q: 両立支援は中小企業でも義務ですか?
A: 2026年4月から治療と仕事の両立支援は事業主の努力義務となった。罰則はないが、就業規則への反映と相談窓口の設置を進めておくと、社員の離職防止と安全配慮義務の面で安心である。
Q: がんで通院する社員に最初にすべき対応は?
A: 本人の意向を聞き、就業継続の希望と配慮してほしい点を確認する。次に本人同意を得て、勤務情報提供書を主治医へ渡し、意見書をもらう流れが基本である。病名の共有範囲は本人が決める。
Q: 心疾患の社員にはどんな勤務調整が必要?
A: 心疾患では、重量物の運搬、長時間の運転、高所作業、暑熱や寒冷の環境での作業が負担になりやすい。主治医の意見をもとに、業務の一時免除や時差出勤、段階的な復帰を組み合わせて調整する。
Q: 休暇制度を新設すると費用はどれくらいかかる?
A: 時間単位年休は労使協定の締結だけで導入でき、制度の新設費用はかからない。傷病休暇を無給にすれば人件費の増加もない。主なコストは規程改定の手間と、代替要員の調整にかかる時間である。
Q: 相談できる公的な窓口はありますか?
A: 労働者健康安全機構の産業保健総合支援センターが、無料で相談に応じている。両立支援促進員が規程づくりや個別ケースの助言も行う。従業員50人未満の事業場は地域産業保健センターも使える。

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この記事の監修
中山友貴 / WellCon 健康経営コンサルタント

ストレッチジムの店舗運営と整体院向けSaaS「バディフル」(500院以上導入)を通じて、IT×店舗運営の両軸で健康経営支援に従事。「医学的根拠×IT定着×ROI可視化」を強みとするWellConを立ち上げ、従業員100〜300名の中堅企業向けに健康経営優良法人申請から運動プログラム定着まで一貫支援している。

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この記事の監修

中山 友貴WellCon 健康経営コンサルタント/株式会社co-nect 代表

整体院向けシステム「バディフル」(500院以上が導入)とストレッチジムの店舗運営で積み上げた現場の知見をもとに、従業員100〜300名の企業の健康経営優良法人の認定取得から、社内での運動プログラム定着までを支援している。

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