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健康経営 実務

長時間労働者への医師面接指導|対象者の抽出から就業上の措置・記録保存までの実務フロー

長時間労働者への医師面接指導|対象者の抽出から就業上の措置・記録保存までの実務フロー
この記事の目次7項目
  1. 長時間労働 面接指導とは?対象者と月80時間の基準を整理すると
  2. 長時間労働者の対象者を漏れなく抽出するには?
  3. 面接指導は何日以内に実施する?通知から措置までの5ステップ
  4. 面接指導後の就業上の措置は何を行う?
  5. 面接指導の記録は何年保存する?残すべき項目は
  6. 長時間労働の面接指導を形骸化させないために
  7. よくある質問(FAQ)

長時間労働 面接指導の対象は、月80時間超の時間外労働で疲労が蓄積し、申出をした労働者です。

この記事でわかること

  • 面接指導の対象となる時間外労働の基準(月80時間・100時間)と区分別の違い
  • 対象者を月次で漏れなく抽出する「週1回15分設計」の進め方
  • 通知から面接指導、医師の意見聴取、就業上の措置までの5ステップ
  • 記録の保存期間(5年間)と残すべき項目、よくある運用ミス
この記事の要点

長時間労働の面接指導は、時間外・休日労働が月80時間を超え、疲労の蓄積がある労働者が申し出た場合に事業者へ実施義務が生じます。月次で対象者を抽出して通知し、面接後に医師の意見を聴いて措置を講じ、記録を5年間保存します。

長時間労働 面接指導とは?対象者と月80時間の基準を整理すると

長時間労働者への面接指導とは、労働安全衛生法第66条の8に基づき、過重労働で疲労が蓄積した労働者に医師が面談し、健康状態を確認して事業者に意見を述べる制度である。産業医の選任義務がない50人未満の事業場も対象である。

厚生労働省によると、一般の労働者は、1週40時間を超える労働時間が月80時間を超え、疲労の蓄積が認められて本人が申し出た場合に対象となります(厚生労働省)。区分ごとの要件は次のとおりです。

区分 要件 申出 事業者の対応
一般の労働者 月80時間超+疲労の蓄積 必要 実施義務
研究開発業務従事者 月100時間超 不要 実施義務
高度プロフェッショナル制度の対象者 健康管理時間が週40時間超で月100時間超 不要 実施義務
月45時間超80時間以下で配慮が必要な者 事業場で定めた基準 任意 努力義務
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長時間労働者の対象者を漏れなく抽出するには?

対象者の抽出は、客観的な労働時間の記録から毎月の時間外・休日労働時間を算出し、80時間超の者を特定するのが基本である。算出式は「1か月の総労働時間数-(その月の暦日数÷7×40時間)」である。

月末に集計すると手遅れになりやすいため、週1回15分の確認時間を決めておく運用が有効です。具体的には次の3段階で見ます。

  • 45時間到達時:本人と上長へ注意を通知する
  • 60時間到達時:業務量の調整と人員配置を検討する
  • 80時間超見込み:面接指導の案内を準備する

タイムカードやPCログなどの客観的方法で労働時間を把握することは、法令上の義務です。自己申告のみの運用は避けてください。

面接指導は何日以内に実施する?通知から措置までの5ステップ

面接指導は、申出から概ね1か月以内に実施するのが目安である。事業者は、80時間を超えた労働者へ超過時間を速やかに(概ね2週間以内)通知します。

  1. 通知:超過した時間数と申出の方法を本人へ伝える
  2. 申出の受付:申出しやすい窓口を用意し、申出を理由とする不利益な取扱いはしない
  3. 面接指導の実施:産業医など医師が、疲労の蓄積や心身の状況を確認する
  4. 医師の意見聴取:面接後、概ね1か月以内に就業上の措置について意見を聴く
  5. 措置と記録:必要な措置を講じ、結果を記録する

面接指導後の就業上の措置は何を行う?

就業上の措置とは、医師の意見を踏まえ、労働時間の短縮や配置の見直しなどで負担を減らす対応のことである。主な例は次のとおりです。

  • 時間外労働の制限・禁止
  • 深夜業の回数の減少
  • 作業の転換や配置転換
  • 休暇・休養の付与

医師の意見は衛生委員会等へ報告し、再発防止につなげます。疲労の蓄積は、出勤しているのに生産性が落ちるプレゼンティーイズムの損失にも直結します。自社の損失額は損失額シミュレーターで確認できます。

面接指導の記録は何年保存する?残すべき項目は

面接指導の結果の記録は、5年間保存する義務がある(労働安全衛生規則第52条の6)。記録には次の項目を含めます。

  • 実施年月日と労働者の氏名
  • 面接指導を行った医師の氏名
  • 労働者の疲労の蓄積の状況と、その他の心身の状況
  • 医師の意見の内容と、事業者が講じた措置

面接結果は機微な健康情報です。閲覧できる担当者を限定し、施錠やアクセス権限で管理してください。

長時間労働の面接指導を形骸化させないために

形骸化の主な原因は、抽出が月末の手作業に頼ることと、面接後の措置が現場に伝わらないことである。仕組みが担当者個人に依存すると、異動や繁忙期に止まります。形骸化を防ぐ具体策は形骸化解決ページで解説しています。

健康経営の支援では、平均継続期間は3〜4年です。まず月次アラートと記録様式を固め、1年目で運用を定着させるのが現実的です。産業医や外部支援の選び方に迷う場合は、比較ページが参考になります。

よくある質問(FAQ)

Q: 面接指導の費用は誰が負担しますか?
A: 面接指導は法律上の義務のため、費用は事業者が負担します。労働者に負担させることはできません。面接の時間は労働時間として扱うことが望ましいとされています。
Q: 従業員50人未満の会社も面接指導の対象ですか?
A: 対象です。産業医の選任義務がない小規模事業場でも実施義務があります。医師の確保が難しい場合は、地域産業保健センターの無料の面接指導を活用できます。
Q: 労働者が申出をしなければ面接指導は不要ですか?
A: 一般の労働者は申出が要件のため、申出がなければ実施義務は生じません。ただし事業者には通知の義務があり、申出を理由とする不利益な取扱いも禁止されています。
Q: 月80時間の時間外労働はどう計算しますか?
A: 週40時間を超えた労働時間の合計で算出し、休日労働も含めます。1か月の総労働時間から、暦日数÷7×40時間を引いた時間が80時間を超えるかで判断します。
Q: 面接指導は誰が実施できますか?
A: 医師であれば実施できます。事業場の状況を把握している産業医が行うことが望ましいとされています。産業医がいない場合は、地域産業保健センターの医師などに依頼します。

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この記事の監修
中山友貴 / WellCon 健康経営コンサルタント

ストレッチジムの店舗運営と整体院向けSaaS「バディフル」(500院以上導入)を通じて、IT×店舗運営の両軸で健康経営支援に従事。「医学的根拠×IT定着×ROI可視化」を強みとするWellConを立ち上げ、従業員100〜300名の中堅企業向けに健康経営優良法人申請から運動プログラム定着まで一貫支援している。

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この記事の監修

中山 友貴WellCon 健康経営コンサルタント/株式会社co-nect 代表

整体院向けシステム「バディフル」(500院以上が導入)とストレッチジムの店舗運営で積み上げた現場の知見をもとに、従業員100〜300名の企業の健康経営優良法人の認定取得から、社内での運動プログラム定着までを支援している。

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